助成金申請について

【はじめに】

●助成金申請の「資格・手続き・選考基準・必要書類」などは、助成金ごとに違います。
それぞれの「募集要項」をしっかり読み、不明な点は質問し、正確に理解した上で申請することが必要です。

●助成金や補助金事業の運営や処理は、「会計」の基本知識が必須です。特に、区分会計が重要です。
●また、法令順守やガバナンス(組織統治)への対応も、必須要件です。

 
※助成金情報は、本財団トップページのサブメニュー、LINK 助成財団・諸団体にアクセスして下さい。

申請に関するよくあるご質問

ここでは、一般的な考え方を説明します。

■申請の際の団体資格要件について

Q1 法人格は、必須要件ですか。
A 必須要件ではなく、任意団体でも応募可能なケースが多いようです。
・しかし、法人格を必要とするケースもあります。それぞれの募集要項をしっかり確認してください。
●本財団が扱う「東海ろうきんNPO育成助成」「休眠預金事業」「私の基金(冠基金)」などは、任意団体でも申請可能です。
Q2 NPO法人であることは、必須要件ですか。
A 助成金によって違います。「非営利団体」に特定しているケースはよくあります。
・休眠預金事業の場合は、企業等営利団体も申請可能ですが、行う事業が「民間公益活動」であることが要件です。
●本財団の「東海ろうきんNPO育成助成事業」は、NPO法人に特定されていませんが、「非営利団体」に特定されています。
Q3 任意団体で申請する場合の注意事項を教えて下さい。
A 組織としての要件を備えていることが求められます。
・団体の「規約」「構成員の存在」「代表者の存在」「団体所在地の存在」は、どのような助成金でも、必須だと考えて下さい。
・「規約」の記載内容のレベルは、それぞれの事業主催者に確認することが必要です。モデル例が示されていることもあります。
・また、活動内容と会計管理の実態確認のために、事業報告書、決算報告書の提出も求められます。2期分のケースもあります。
・法人格の有無に係わらず、申請に必要な書類はほぼ同じだと考えて下さい。
●休眠預金事業の場合は、このほかに、就業規則や給与規定、個人情報保護規則などの法令順守やガバナンス関係の規程類が必要です。任意団体でも求められます。
Q4 愛知県の団体とか、中部圏の団体とは、何を基準に判断するのですか。
A 通常は事務所所在地や法人登記場所で判断されます。
・全国的な組織で、当該地域(県・市町村)に、支部事務所がある場合も申請可能としているケースもあります。
 それぞれの募集要項で確認することが必要です。

■申請事業書作成にあたって

Q5 申請事業案作成にあたって、注意点はなんですか。
◆ポイントは、大きく三つです。
A1 助成金の趣旨をしっかり理解し、その趣旨に応える内容を提案することです。
・助成金の趣旨に合致していないものは、選考されません。
・募集要項をしっかり読み、企画書の様式や内容、記載例が示されている場合はその内容を参照し記述して下さい。
A2 申請事業の内容が、分かりやすく、具体性をもって記述されていることです。
・所謂、5W1Hをしっかり記述することが必要です。いつ、どこで、どれだけの規模や内容の事業が実施されるのかが不明では選考されません。目的や目標が書かれていても、それがどのように実現されるのかがわからないと選考されません。
・また、そうした事業を実行した結果、どういう成果や影響が生まれるのかを説明することが求められます。
A3 費用の使途・内訳が、明確に、具体性をもって記述されていること、事業内容と整合性があることが重要です。
・助成金事業は、資金提供を軸に支援するものですので、費用の使い道が曖昧では選考されません。単価と度数(数量)が必要です。
◇人件費の例:(時間単価)×(1日の従事時間数)×(1ケ月の従事日数)×(事業期間月数)
※平均値の予測で大丈夫です。
◇物件費の例:(品物の単価)×(1回の使用量)×(事業期間中の使用回数)
Q6 費用の試算の根拠に見積書を求められるケースがあります。
A 第三者や客観的な評価を得ている団体・業者からの見積書が信用度が高く効果的です。
・また、そうした見積書を付けることで、提案内容への信用度や団体への信用度が向上します。

■助成金の使い道についてー資金計画書関係

Q7 助成金を他団体に寄付又は助成金として提供することは可能でしょうか。
A 助成事業で異なりますが、通常、助成金は、当該団体の実施する活動に充当されるものとして、提供されるますので、禁止されていることが通常です。
・事業企画にそうした他団体への助成事業費用の提供が盛り込まれており許可されている場合は、可能です。
・休眠預金制度における資金分配団体への助成金は、実行団体への助成金を含んで資金提供されます。
Q8 他団体や外部の学識者等に、調査や研修の事業委託費や謝金として提供することは可能でしょうか。

A 部分委託は了承されているケースが多いと思いいます。所謂「丸投げ」的な委託や主要部分の事業の委託は禁止されていることが多いと思います。

 ・具体的なケースごとに、確認することが必要です
 
Q9 他の団体からの助成金や行政からの補助金、企業等からの協賛金、事業実施における事業収入、団体の自己資金などの「他の資金」の扱いはどうなりますか。
A 助成金によって、それぞれ異なった扱いがあると思われます。
・他の資金を獲得して当該事業を拡充することは歓迎されます。
・ただし、当該助成金は何に使用したか、他の資金で何に使用したか、明確に区分することが求められます。ダブッて資金がカウントされていないかはチェックされます。
Q10 人件費に使用しても構わないですか。
A 人件費は禁止という助成金もあります。
・人件費とは、当該団体の役員への報酬や雇用者への給料・各種手当などを指します。助成金によって、社会保険料の事業者負担分については、認められない場合があります。
・一般的には、研修事業の講師や調査活動(ヒアリングし報告書を作成等)を依頼した場合の謝金は、人件費にあたりません。これらは、物件費における謝金(報償金)として扱われます。人件費と区別して認識することが必要です。
Q11 助成金事業だけでなく他の複数事業にも従事しています。費用はどう扱うのですか。
A 助成金事業の従事分を特定することが必要です。
・一般的には、助成金事業に従事した日時・時間を出勤簿と従事日誌等で記録し、単価に従事時間を掛け算します。
・月給制等の場合等、助成金事業費と他の事業費の割合で按分する方法もあります。
・複数事業に従事する場合の按分方法は、助成金によって定められていることがあります。しっかり確認してください。
Q12 管理業務専門職員や事務所家賃、水光熱費など特定出来ない費用はどのようになりますか?
A こうした共通経費は、助成金によって認められない場合があります。認められる場合は、一般的には、事業費で按分します。
・団体では、管理費として会員管理や機関会議等組織の運営費用があります。こうした費用も含めて按分します。
事業名 事業費(人件費+物件費) 管理費(人件費+物件費) 合計
A事業 ○○○円 管理費総額のうちA事業割合 A事業合計
B事業 ○○○円 管理費総額のうちB事業割合 B事業合計
合計 事業費総額:A+Bの合計 管理費総額 総合計
Q13 飲食代は不可との要件を見かけます。スタッフやボンティアのお弁当代は該当しますか?
A 飲食代や食糧費の禁止は増えています。
・イベントや会議の際、食事や弁当はダメだが、茶菓程度は可能とのケースもあります。また、スタッフ等を長時間拘束し弁当の支給が不可欠な場合は可能などのケースもあります。
・費用の支出範囲は、助成金事業ごとでかなり違います。主催団体にしっかり確認することが必要です。

■その他、留意事項

Q14 利益相反取引の禁止とはどのようなことですか。どのような注意が必要ですか?
A 利益相反関係とは、「当該団体と役員の関係」及び「当該団体及び当該団体の役員が、役員に就任している団体との関係」で、この間での取引について、民法で規制されています。
・この関係者で行われる取引は、法令で利害関係者を除いて機関決議して執行することが必要と定めています。
・休眠預金事業では、どのような団体の役員や職員に従事しているかを本人が定期的に報告することを求めています。
Q15 領収書等証憑について、どのような注意が必要ですか?
A 宛名が助成を受けている団体名であることが必要です。
・ただし、「領収書」ではなく、「レシート」が認められる場合が増えています。
・振込で支払った場合、ATMの「振込明細」だけでは証憑として不十分です。請求書や支払明細書等、何の対価を支払ったのかがわかる書類の添付が必要です。
・宛名が、「上様」や「空白」のものは不可です。宛名の明記が必要です。個人名も不可です。
・但し書きは、「品代」との記載では不可で、「○月○日△△氏研修講師料」と、内容がわかるように記載して下さい。
・交通費について、概算で(実費をこえて)、当該利用者に支払う場合は、「報酬」扱いになり、源泉税が発生します。実費を支払いたい場合は、交通機関が発行する領収書や交通費精算書により立替精算にして下さい。

休眠預金事業に関して

休眠預金制度の概要や本財団の助成事業についてはこちらをどうぞ。
◆現在、全国でおよそ100団体の資金分配団体があるとされます。
・資金分配団体ごとに、募集要項・事業の組み立てが違います。助成対象経費が違います。しっかりそれぞれ確認して下さい。
◆本財団の場合
・草の根活動支援事業2019を実施する際の、「Q&A()」(2019.12.26)
・新型コロナウイルス対応緊急支援事業の際の、「Q&A」(2020.11.12)
★実施事業によって、経費に対する扱いや申請に必要な書類が違います。事業ごとにしっかり確認してください。

東海ろうきんNPO支援事業に関して

事業の詳細は、こちらをどうぞ
・本財団は、東海ろうきんNPO育成助成事業とNPO寄付システムの二つの事業を実施しています。
●NPO育成助成事業は、三つの部門で毎年およそ1000万円が、民間非営利団体(NPO)に助成されます。
A 新規事業創出部門 1件30万円以内 およそ10件 助成総額
1000万円
募集時期:毎年1月~2月
選考発表:5月
事業期間:6月~翌年2月
B 事業の継続発展部門 1件100万円以内 およそ5件
C 組織強化部門 1件100万円以内 およそ2件
★NPO育成助成事業に関するよくあるご質問は、こちらを参照下さい。
●NPO寄付システムは、寄付システムへの登録団体を募集します。
・登録された団体は、東海ろうきんのHPや店頭で紹介され、寄付者を募り、労金口座を通して寄付されます。手数料は不要です。
・一端登録された団体は、失格要件が生じない限り、登録が続けられます。

ハルカ基金や水谷潤平教育基金などの「冠基金」について

■これらの助成金は、公募されません。  
・冠基金は、助成者(基金設立者)が、寄付をしたい地域や活動テーマを特定することがあります。この二つの基金も特定されています。
 それぞれのサイトをご覧ください。
ハルカ基金の選考は、毎年11月から12月です。
水谷潤平教育基金は、毎年夏です。